「家を建てたいけど、どのくらいの期間が必要?」
「いつから準備を始めればいい?」
新築一戸建ての建築に関する疑問は尽きないものです。スケジュール計画を立てないと、住宅ローンの審査の遅れや工事の遅延、さらには入居時期のズレなど、深刻なトラブルにつながりかねません。
しかし、土地探しから入居までの具体的なスケジュールを把握しておけば、予算計画や引越し時期の調整がスムーズに進み、理想の家づくりが実現できます。
この記事では、家づくりを成功に導くためのスケジュールを徹底解説します。

ステップごとに解説しているので、家づくりの進捗状況に合わせてチェックしてみてくださいね。
新築一戸建てを建てる際は最初にスケジュール計画を立てよう!

新築一戸建ての建築において、スケジュール計画は重要な要素のひとつです。重要と言える理由は以下の3点です。
- 完成までに必要な期間が明確になる
- 建てるスケジュールに沿って必要な準備が行える
- 新築一戸建てを建てる際に注意すべき点やタイミングが明確になる
家づくりは土地探しから入居まで約1年かかります。一度決めたら後戻りできない工程も多いため、計画的な進行が大切なんです。
理由1.完成までに必要な期間が明確になる
スケジュール計画を立てることで、家づくりの全体像が見えてきます。具体的なイメージがつかめれば、完成までの期間はもちろん、それぞれのステップでどれくらいの時間が必要かもわかります。

無理のないスケジュールで進められるので、心に余裕を持って家づくりに挑められる!
入居までの期間が具体的になり、現在の住まいの解約時期や引越しの予定も立てやすくなります。とくに子どもの転校時期や職場の異動に合わせて入居を考えている人にとって、スケジュール計画は大切です。
理由2.建てるスケジュールに沿って必要な準備が行える
家づくりでは、各ステップでいろんな準備が必要です。
たとえば以下のようなものが必要です。
- 収入証明書
- 申込金
- 実印など
スケジュールを把握していれば、これらの準備を適切なタイミングで進められ、手続きの遅延や書類不備などのトラブルを防げます。
必要書類については記事の後半で詳しく解説します。
理由3.新築一戸建てを建てる際に注意すべき点やタイミングが明確になる
家づくりの各段階には、それぞれ欠かせないチェックポイントがあります。

土地選び、建築工事中、契約時などなど…それぞれのタイミングで注意すべき点があります!
スケジュールを立てていれば、どのタイミングで、どんなチェックすべきかがハッキリとわかります。そのため重要なチェックポイントを見逃すことなく、適切なタイミングで確認作業を行えるんです。
新築一戸建てを建てる際のスケジュールと期間の目安

新築一戸建ての建築には、計画から入居まで平均して約12ヵ月かかります。この期間は、土地探しや工務店選び、設計、建築工事など、多くの工程があります。なお建売住宅の場合は約7ヵ月程度と比較的短期間での入居が可能です。
新築一戸建てに入居するまでの、おおまかな流れは以下の通りです。

各工程にかかる期間を理解し、余裕を持った計画を立てると、スムーズな家づくりが実現します。それでは、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。
事前準備【1ヵ月】
家づくりの第一歩は、家族との話し合いから始まります。実は家族の話し合いから始まる事前準備が家づくりでは大切なんです。
事前準備では以下のポイントを決めておきます。

- どのような暮らしをしたいか
- どんな間取りの家が欲しいか
- 家のデザイン
- 希望のエリア
- おおまかな予算
たとえば「利便性の高い場所に住みたい」「閑静な場所に住みたい」「家族とコミュニケーションをとれる暮らしがしたい」「洋風なデザインの家に住みたい」など、ざっくりとした暮らし方のイメージを話し合いましょう。
暮らし方のイメージが固まると、必要な部屋数や希望のエリアなど、家づくりの条件が見えてきます。あとは下記ポイントをもとに、自分がどれくらいの予算を出せるかを把握しておくと予算オーバーを回避できます。
予算イメージは
- 自己資金の額を決める
- 今の家賃からローン返済額を想定する
- 入居後の毎月の貯蓄額を検討する
などから考えると無理なく予算計画が立てられます!
最近はお金の専門家であるファイナンシャルプランナー(FP)への相談も無料で受けられます。積極的に相談して予算を固めておきましょう。

FPへの相談は入居後の貯蓄なども含めて相談できるので、かなりおすすめです!
工務店・ハウスメーカー選び【1〜2ヵ月】
おおまかなイメージが固まったら、工務店やハウスメーカーを選びます。
「土地がないのに具体的な金額ってわかるの?」と思うかもしれませんが、心配いりません。事前準備で決めた間取りや予算を建築会社のスタッフに伝えれば、そこで建てられるかどうかはある程度教えてくれます。
そのため、このタイミングでは、自分のイメージする建物を建ててくれる建築会社かどうかを見極めるのがメインの目的です。
たとえば自分に合った工務店やハウスメーカーを見極めるには以下のポイントを参考にしてください。

- 希望のデザインに近い事例があるか
- アフターサービスは充実しているか
- 担当スタッフは寄り添って家づくりをしてくれそうか
建築会社にはデザイン面でも得意不得意があります。
たとえばハウスメーカーは仕様がある程度固まっているため、それぞれ個性を出すような外観を目指しています。対して工務店の場合はデザイン性の高い住宅を得意としていたり、高性能な住宅が強みなど、特色がさまざまです。
なるべく広く浅く建築会社を回って、自分のイメージを叶えてくれそうな会社を選んでください。
土地探し【1〜2ヵ月】
イメージと建築会社が固まってきたら希望しているエリアをもとに土地探しを行いましょう。
住宅の購入資金のうち、土地が占める割合はおよそ4割と言われています。
そのため、理想の暮らしを実現するためには予算に合った土地を選ぶのがとても重要です。
土地探しは以下のポイントを検討すると後悔するリスクがグッと減ります。
- 交通の便、通勤通学時間
- 土地の広さと相場
- 周辺環境
- 日当たり
- 高低差
- 地盤の状況
- 災害のリスク
土地について調べるには以下のツールが便利です。
- ハザードマップ
- 不動産ポータルサイト
これらのツールで候補地を絞り込んでから不動産会社へ相談すると、スムーズに土地探しが進みます。
土地探しで注意したいのが、仮押さえの期限が短い点。気に入った土地を契約前に押さえておけるのですが、一般的には1〜2週間程度しか期限をもらえません。
その間に建築会社におおまかなプラン・予算を出してもらう必要があります。

かなりタイトなスケジュールになるので、このタイミングで建築会社が決まっていないと期限内に土地の売主に返事が出せず、他の方で契約が決まってしまうリスクがあります。
焦らないためにも順序を間違えずに土地探しを進めましょう。
住宅ローンの事前審査【1週間】
土地が決まり、プランや概算見積もりが固まったタイミングで金融機関へ事前審査を申し込みます。この段階では、概算の借入額で審査を行い、借入が可能かどうかを暫定的に判定してもらいます。
事前審査で必要な書類は以下の通りです。
項目 | 書類必要書類 |
---|---|
本人確認書類 | 運転免許証 パスポート |
収入証明書類 | 給与所得者:前年分の源泉徴収票 自営業者・個人事業主:過去3年分の確定申告書および付表の写し |
物件確認書類 | 土地に関する資料 図面や物件概要がわかる資料 見積書の写し |
申込書類 | 金融機関所定の事前審査申込書 |
その他 | 他の借入れがある場合、その契約内容やローン残高がわかる書類 |
土地・建築工事請負の契約【1〜2週間】
つぎは土地の購入契約と建築工事請負契約を締結します。契約内容や重要事項説明をしっかりと確認し、不明点は必ず質問しておきましょう。この段階で契約内容をよく理解しておくと、トラブルを防げます。
後々のトラブルが発生するリスクを抑えるためにも契約は慎重に行いましょう。
住宅ローンの本審査・契約【1ヵ月程度】
事前審査後、本審査へと進みます。この段階では、より詳細な審査が行われ、正式な融資額が決定します。審査通過後は、住宅ローン契約を締結し、融資実行日が決定する流れです。この時期に必要な書類の準備も忘れずに行いましょう。
項目 | 必要書類 |
---|---|
本人確認書類 | 運転免許証 パスポート マイナンバーカード 住民票(家族全員記載、本籍地・マイナンバー記載なし) |
所得証明書類 | 源泉徴収票(前年分) 確定申告書(個人事業主は直近3年分) そのほかの公的所得証明書 |
物件情報書類 | 売買契約書 重要事項説明書 間取り図 建築確認済証 登記事項証明書 公図・地積測量図 |
勤務関連書類 | 勤務先発行の在籍証明書 見込収入証明書 |
その他の書類 | 印鑑証明書 実印 返済予定明細書 団体信用生命保険申込書兼告知書 |
事前審査と書類がかぶるものもあります。ただし、本審査は実際の借入れに必要な情報を細かくチェックされるため、より多くの書類を準備しなければなりません。
うっかり準備忘れをしないためにもリストは必ずチェックし、早めに準備しておきましょう。
建築工事【4〜6ヵ月】
いよいよ建築工事が始まります。木造住宅のおおまかな工程は、地盤調査から基礎工事、建方工事、断熱工事、内外装工事と進み、最後に外構工事で仕上げます。

工事が始まってから完成するまでは一般的に6ヵ月程度。どれだけ早くても4ヵ月はかかります。
引渡し〜入居【約1〜2週間】
完成後は竣工検査を行い、契約通りの仕上がりになっているか確認します。図面、メジャーやスマホ、筆記用具は必ず持参し、しっかりチェックを行いましょう。竣工検査時に必要なもの、あると便利なものをリストにしました。ぜひ参考にして準備を行ってください。
【必ず必要なもの】
- 図面(建物の平面図・立面図)
- メジャー
- スマホ
- 筆記用具
【あると良いもの】
- 家具のサイズがわかる資料(家具の配置を検討できる)
- マスキングテープ(指摘箇所にはって正確に建築会社のスタッフに伝えられる)
- 防寒着、スリッパ(冬は足元から冷えるので準備しておくと良い)
- タオル(夏は必要、エアコンが効いていないと汗をかくため)
- 脚立(高いところをチェックできる。建築会社の許可は必要。会社によっては事前に言えば用意してくれる場合もある)
問題がなければ、鍵の受け取りと必要書類の授受を行い、いよいよ入居となります。
また、この時期には住宅ローンの融資実行や各種手続きも並行して進めます。
新築一戸建てを建てる際の注意点【事前準備・土地探し編】

前半にもお伝えしましたが、家づくりが成功するかどうかは、事前準備がしっかりできているかにかかっています。
準備がおろそかになっていると、家づくりの途中で悩んだり、思いもよらぬトラブルに巻き込まれたりなど、スムーズに進まない恐れがあります。
また、土地についても家づくりに必要な費用の大部分を占めるため、失敗してしまうと後悔につながってしまうでしょう。
そこで事前準備と土地選びで失敗しないために、注意点を具体的に解説します。
入居希望日があれば逆算してスケジュールを計画する
入居希望日が決まっている場合は、事前準備のタイミングで全体のスケジュールを組み立てます。前半で紹介した家づくりのスケジュールから逆算して、いつから動き始めれば良いのかを計算してください。
建築工事には季節や天候の影響もあるため、余裕を持った計画が必要です。とくに年度末や年度始めは、引越しのピークシーズンとなります。家づくりのスケジュールはもちろん、引越しの準備なども早めに進めておきましょう。
もしもすでにスタートが遅れている場合は、土地探しや建築会社探しをスムーズに行わなければなりません。ただし、あわてて決めるのは失敗のもとです。可能なら入居スケジュールを調整する、建売住宅を選ぶという選択肢も考えると良いでしょう。
家づくりを始める前にできるだけイメージを固めておく
事前準備の段階で家族で話し合い、理想の暮らしについてイメージを共有しておきましょう。
家づくりは、家族それぞれの希望を取り入れながら進めるのが大切です。たとえば奥様と旦那様でイメージしている間取りやデザインが違う可能性があります。
各々イメージを固めていたが、家族での話し合いを疎かにしていると、打ち合わせ時にケンカになってしまうこともあるでしょう。
現在は住宅展示場の見学だけでなく、インターネット上やSNSでも情報収集できます。
それぞれのイメージを出し合いながら、家族全員が納得できる家のイメージを作り上げていきましょう。
予算オーバーになった際の優先順位を決めておく
家づくりでは、予算内に収めることが重要な課題です。予算オーバーになった際、どこを削るか優先順位をつけておきましょう。
優先順位の付け方は人それぞれですが、以下の点を参考に評価して順位付けするのがおすすめです。
- 絶対に必要なものか
- 家族全員に関わる内容か(実現したい内容か)
- 長い期間使う(使える)ものか
- リフォームするのにお金がかからないか
たとえば愛犬が寝るスペースを作るといった点は以下のように評価できます。
- 家族全員に関する内容か→◯(愛犬も家族の一員)
- 絶対に必要なものか→✖️(ケージで対応できる)
- 長い期間使えるものか→✖️(残念ながら人より寿命が短い)
- リフォームするのにお金がかからないか→◯(スペース的には小さく、リフォームにお金はかからない)
計2点
将来的な改修の可能性も考慮に入れておくと、長期的な視点での判断が可能となります。
気になった土地はなるべく現地を確認する
土地選びでは、実際に現地へ足を運び、環境を確認することが不可欠です。日当たりや騒音、交通量といった生活環境に加え、周辺の商業施設や学校などの利便性も重要なポイントとなります。
候補が絞れてきたら可能なら雨量の多いタイミングを狙って足を運んだり、近隣さんへの聞き取りや複数の時間帯で現地の状況を確認したりなど、より細かい情報収集をしましょう。「こんなはずではなかった」という後悔が起こりにくくなります。

我が家は大雨で道路が冠水してしまうことを、工事着工の段階で知りました…。
私のように後悔しないためにも土地選びの際は、現地の情報を詳しく把握するのが大切です。
新築一戸建てを建てる際の注意点【住宅ローン編】

住宅ローンは、家づくりにおける重要な資金計画の要となります。無理のない返済計画を立てることはもちろん、審査のプロセスについても正しく理解しておく必要があります。
住宅ローンは無理のない返済計画になっているかチェックする
住宅ローンは将来の生活設計を見据え、無理のない返済計画になっているかのチェックが大切です。
具体的には以下の点をチェックしてください。
- 月々の返済額
- 固定資産税
- メンテナンス用の積立金
また、収入の変動や予期せぬ出費にも対応できるよう、余裕を持った計画を立てましょう。
住宅ローンの本審査は必ず通るとは限らない
事前審査と本審査では、審査の内容や基準が異なります。事前審査が通過しても、本審査で否決されるケースもあります。そのため、審査結果が出るまでは、他の選択肢も視野に入れながら準備を進めましょう。
新築一戸建てを建てる際の注意点【土地・建築工事請負契約編】

契約は家づくりの重要な転換点となります。契約内容を細かく確認し、必要な書類をしっかりと準備すると、スムーズな進行が期待できます。
契約時は請負契約書や重要事項説明書を必ずチェック
契約書類には、工事の内容や保証条件など、重要な情報が記載されています。これらの内容を丁寧に確認し、不明な点は必ず質問します。特約事項や保証内容については、とくに注意深く確認するのが重要です。
請負契約時に確認しておいた方が良いポイントは以下の点です。
項目 | チェックポイント |
---|---|
工事スケジュール | 工事開始日 完了予定日 天候不良等による工期延長時の対応 進捗報告のタイミング |
代金支払い | 支払い方法 支払い期限 引き落とし日 着手金の割合(3割~5割が一般的) 中間金の割合(3割~5割が一般的) 完成前支払い金額 つなぎ融資の必要性 |
アフターサービス・瑕疵保険 | 構造部分の保証期間(一般的に10年) 雨漏りの保証期間(一般的に5~10年) 設備の保証期間(一般的に1~2年) 各部位の具体的な保証内容 |
変更・キャンセル | 追加工事の手続き 仕様変更時の対応 変更時の費用明確化手続き 工事開始前のキャンセル違約金 工事開始後のキャンセル違約金 キャンセル時の既発生費用負担 |
上記内容をもとにチェックを行い、計画を進めましょう。
気になる点、疑問点は必ず確認する
気になる点は契約前に必ず確認し約束事は口約束でなく、書面で残しておくのが契約の大切なポイントです。
たとえば
「庭の外構工事費は見積もりに含まれると説明されたが、契約書に明記されず後から100万円の追加請求を受けた」
「ハウスメーカーの営業担当者が「標準仕様」と説明した内容が、実際にはオプション扱いだった」
というケースが考えられます。
口頭で説明を受けた内容は必ず書面で残してもらうように気をつけましょう。
新築一戸建てを建てる際の注意点【建築工事編】

建築工事は、家づくりの中核となる工程です。定期的な現場確認と、重要なポイントでの入念なチェックが、満足度の高い住まいづくりにつながります。
建築工事時に気になった点は遠慮なく、工務店の担当者へ質問・相談する
建築工事で気になった点は遠慮なく質問相談しましょう。とはいえ、何を質問すればいいの?と思い方もいるでしょう。
ここで覚えておきたいのが、必ず自分の目で工事の進捗を確認すること。細かい部分はわからないかもしれませんが、現場を見ていく中で「これで大丈夫?」と感じる点は少なからず出てきます。

私も工事中の自宅にふらっと見に行ったら、キッチンのシンク形状が違っていた経験があります。
工事の進捗状況は定期的に確認し、気になる点があれば遠慮なく担当者に質問しましょう。
建築会社によっては現場に入るのは危険だからという理由で工事中の現場に入らせてもらえないこともあります。ただ、どんな建築会社でも現場確認したい旨をあらかじめ伝えておけば、安全対策をして見学をさせてもらえるはずです。
工事中は建築会社に任せきりにせず、スタッフとコミュニケーションを取りながら家づくりを進めると失敗するリスクがグッと押さえられます。
最低でも基礎、断熱工事は自身の目でもチェックする
「建築のことはわからないしプロに任せればいい」という考えは禁物です。現場監督の経験を持つ私からすると一般の方でも最低は基礎工事、断熱工事は自身の目でチェックしていただきたいと考えています。なぜなら基礎工事は住宅の安全性、断熱工事は快適な住環境と光熱費に直接影響を与えるメチャクチャ大切な工事だからです。
これらの工程では、可能な限り立会いを行い、施工ミスや不具合がないかチェックをおすすめします。
とはいっても「何をチェックすべきかわからない」と感じる人が多いでしょう。そこで最低でもここは押さえておきたいという重要ポイントをお伝えします。
それぞれ必ずご自身の目でチェックしてみてください。
新築一戸建てを建てる際の注意点【引渡し〜入居編】

完成間近になると、入居に向けた準備が本格化します。最終確認と各種手続きを確実に行い、新生活への準備を整えます。
ここでの注意すべきポイントは以下の通りです。
- 引き渡し前の竣工検査(施主検査)は必ず実施する
- 引越し業者の手配を早めに行う
- インターネット・電気・水道・ガスなどの転居連絡を行う
これらのポイントは入居後の生活に影響を与えます。もし確認を怠ると予定通りに入居開始できないなどのトラブルが発生し、快適といえないような状況で過ごすことになってしまいます。
引渡し直前でウキウキしてしまうかもしれませんが、注意点をしっかり押さえておきましょう。
それでは各ポイントについて解説します。
引渡し前の竣工検査(施主検査)は必ず実施する
竣工検査では、契約内容との整合性や施工精度を細かくチェックします。外部、内部はもちろん、床下や屋根裏まで入念に確認します。この段階での確認が、快適な暮らしの実現につながります。
以前、新築一戸建てを建てている知人から「依頼した建築会社では竣工検査を実施しない方針だった」と相談されました。そのため私が「絶対チェックして」と伝えました。知人が建築会社に相談し、検査を実施したところ食洗機の不具合や錆、建具がうまく作動しなかったなどが見つかったそうです。
家はそれぞれの工程で、たくさんの職人さんが手作業で作り上げます。そのため、いくら実績があってもミスは起こりえます。
安心して新生活をスタートさせるためにも、最後は自分の目で家の仕上がりをチェックしましょう。
引越し業者の手配を早めに行う
引越しのピークシーズンを避けるため、早めの予約が重要です。複数の業者から見積もりを取り、サービス内容や料金を比較検討します。とくに年度末や年度始めは混雑するため、余裕を持った計画が必要です。
インターネット・電気・水道・ガスなどの転居連絡を行う
新居での生活に必要なライフラインの開通手続きは、引越し日に合わせて計画的に進めます。各種手続きには時間がかかることもあるため、早めの対応を心がけます。手続き漏れがないよう、チェックリストを活用することも効果的です。
項目 | 推奨される手続き期限 | 理由・補足 |
---|---|---|
電気の契約・解約手続き | 遅くとも1〜2週間前まで | 1か月前から可能。繁忙期やトラブル防止のため早めが安心。電気の新規契約は建築会社が行なってくれるケースがある |
ガスの契約・解約手続き(開栓/閉栓の立会い予約も) | 2〜3週間前が理想、遅くとも1週間前まで | 立会い予約が必要な場合が多く、繁忙期は早めが必須 |
水道の契約・解約手続き | 1週間前が理想、遅くとも3〜4日前まで | 水道の新規契約は建築会社が行なってくれるケースがある |
インターネット回線の契約 ・ 移転手続き | 引越しが決まったらすぐ(1か月以上前が望ましい) | 工事や事業者の都合で1か月以上かかる場合あり。繁忙期はとくに早めに |
テレビアンテナの設置 ・ ケーブルテレビの契約/移転 | 1か月前までに連絡・手続き開始 | 工事日程調整や撤去・設置で日数を要するため。インターネットの光回線を利用する「光テレビ」の場合は手続き不要 |
固定電話の移転・解約 | できるだけ早め(1か月前が目安) | 工事や番号変更が発生する場合があるため、早めの手続きが安心 |
郵便局の転居連絡 | 1週間前まで | 重要書類の誤送付防止のため、できるだけ速やかに。 |

入居後は運転免許証やクレジットカードなどの住所変更も忘れずに!
スケジュールと注意点を理解して後悔のない家づくりを!

新築一戸建てを建てる際は、人生に一度あるかどうかの大きなイベントです。失敗はしたくないですよね。記事で紹介した通り、新築戸建てを成功に導くには入念なスケジュール計画を立てると、満足度の高い家づくりが実現できます。とくに重要な判断タイミング・ポイントでは慎重に検討を重ね、必要に応じてパートナーである建築会社のスタッフやその他の専門家に相談しましょう。
ぜひ今回紹介した内容をしっかり理解して、家族の夢を叶える理想の住まいを作り上げてください。
最後までお読みいただきありがとうございました!