平屋建ての住宅を検討中の方は、「実際に建てた後に後悔するポイントは何だろう」「失敗しない平屋づくりのコツを知りたい」といった悩みをお持ちではないでしょうか。

私も平屋を建て、総合的には満足しています。
ただ、「こうしておけばよかった」という点はいくつもあるんです…。
この記事では、平屋を建てる際に絶対に押さえておきたいポイントを厳選して解説します。一般的に言われている後悔しやすいポイントだけでなく、建築実務経験者である私が平屋を建てて後悔したポイントも交えてお伝えします。
ぜひこの記事で後悔しやすい点を理解して、満足のいく平屋の家づくりを目指してください!
平屋の後悔ケース1:建築コストが高くついた

平屋は二階建てと比べて建築コストが高くなりがちです。その理由は、二階建てが縦に積み上げるのに対し、平屋は横に広がる構造のため、基礎や屋根の面積が大きくなるからです。

階段がなくなることでコストが下がると思われがちですが、実際は増加する面積によるコスト増が上回ります。

私も実際に平屋を建てる時、営業担当者から2階建てと比べて1〜2割ほど価格が上がると説明を受けました。
対処法:平屋では「効率」と「メリハリ」を意識する
根本的な対処法はありませんが、効率的な間取りをつくることで面積を抑え、コストダウンにつなげられます。
必要な部屋数や面積を計画時にしっかり検討し、優先順位をつけておくのが大切です。我が家はリビングを広くとる代わりに、洗面・浴室・和室は最小限の広さで計画しました。
このように全体の建築費を抑えつつ、重視したい空間に予算を集中させるのが平屋の家づくりではとくに重要です。
平屋の後悔ケース2:外の視線が気になる

平屋の場合、LDKだけでなく寝室や子供部屋もすべて一階にあるため、外からの視線が気になるという問題が生じます。二階建ての場合、プライベート空間を二階に配置して視線を遮断できます。しかし、平屋ではワンフロアで完結するため、そうした対策がとりにくいのです。
とくに住宅密集地では、隣家や道路からの視線で落ち着かないと感じる方も多いでしょう。窓を小さくするという選択肢もありますが、その場合は採光や通風が犠牲になってしまいます。
対処法:外構計画も同時に考える
対策としては外構計画を同時に考えることです。外構で目隠しを設置すれば、外からの視線を効果的に遮ります。ただし、とりあえず目隠しをつければよいというわけではありません。
目隠しをつける際は
- 外からの目線の高さ
- 必要な範囲
などを検討したうえで設置しましょう。
また、目隠しフェンスに圧迫感を感じる場合は、植栽でふんわりと視線を遮る方法も効果的です。ただし、落葉樹は手入れが大変なので、常緑樹など手入れの簡単な樹種を選ぶのがおすすめです。
平屋の後悔ケース3:景色が楽しめない

平屋はすべての部屋が一階にあるため、外からの視線が気になりやすいです。
外の視線が気になるあまり、レースカーテンを常に閉めたままにしてしまうと、せっかくの景色が楽しめません。とくに夜間はレースカーテンでも室内が透けて見えるため、早い時間からシャッターを閉めざるを得なくなります。

我が家も早々とシャッターを閉めてしまうため、夜間は景色を楽しむどころか、窓を開けて通風を得ることさえ難しい状況です。
このように、プライバシーを重視するあまり、窓からの眺めや自然の風を楽しむ機会が失われてしまいます。
対処法:窓の種類や配置を工夫する
先ほどの外構による対策に加え、外に出るための窓と景色や通風を楽しむための窓を分けて計画するという方法があります。
ポイントは
- 窓の種類を適切に選ぶ
- 生活スペースからずらした位置に窓を配置する
ことです。
たとえば窓の種類は用途に合わせて以下のような使い方ができます。
- 明かりとり用 → 透明ガラスのスリット窓、はめ殺し窓
- 通風用 → すりガラスの滑り出し窓、引き違い窓、スリット窓
- 景色を楽しむ用 → 透明ガラスのはめ殺し窓
- 人の出入り用 → 掃き出し窓
必ず上記の種類に合わせる必要はありませんが、プライバシーを確保したまま通風がとれたり、景色が楽しめたりなどの効果が得やすくなるのでおすすめです。また窓の種類に合わせて高窓など、窓の配置を工夫するとプライバシーを確保しながら景色を楽しみやすくなります。
間取り計画の段階から、窓の種類や位置をしっかり検討しましょう。
平屋の後悔ケース4:おしゃれなデザインにならなかった

平屋を建てたものの、思ったようなおしゃれなデザインにならなかったという後悔は少なくありません。一般的に平屋は箱型になりがちで、デザイン性を出すには工夫が必要です。単調な外観になってしまうと、せっかくのマイホームが何の特徴もない建物になってしまいます。
また、外観だけでなく、室内空間のデザイン性も重要ですが、二階建てのスキップフロアのような上下空間のアクセントが作りづらいという課題もあります。
対処法:おしゃれな平屋を建てている建築会社を選ぶ
平屋は二階建てと比べて、凹凸が作りづらい特徴があり、おしゃれに見せるには工夫が必要です。
たとえば、
- 片流れ屋根を採用したり、
- 外壁材を部分的に貼り分けたり、
- ルーバーを設置してアクセントをつけたり
する方法があります。
ただ最も重要なのは、デザイン性の高い平屋を実際に建てた実績がある建築会社を選ぶことです。
施工事例やオープンハウスで実際の建物を見学し、デザインを考慮した間取り計画が可能かどうかを確認することをお勧めします。理想のデザインイメージを明確にしてから建築会社のスタッフなどへ相談しましょう。
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平屋の後悔ケース5:外構工事をケチりすぎた

筆者の最大の後悔ポイントは、外構費用を節約しすぎたことです。

家庭菜園スペースを作りたいからと庭は砂地の状態で仕上げてもらったのですが、毎年の草むしりに嫌気がさして全面人工芝を敷いてしまいました…。
また土間もケチって砂利敷きにして貰ったのですが、やはりこちらも草が大量に生えてきて、結局後で業者さんに頼みました。後施工は人件費分が割高になるのでもったいなかったなと感じてます。
対処法:あらかじめ外構の予算も含めて家づくりをはじめる
外構はコスト削減の対象にするのはおすすめしません。建物が完成した後に行われる外構工事は、予算超過を理由に簡易的な仕上げになりがちです。建物の計画が固まりそうなタイミングで、外構の計画も同時に作成してもらい、全体の費用感を把握しておきましょう。
また私の経験上、「将来的に何かしたい」という考えは、実際には「やらない、やれない」と思った方が現実的です。
将来的にやりたいことが決まっている場合は、
- あらかじめ土間で仕上げる
- ブロックで囲っておく
など、スペースを作っておくとよいでしょう。
外構は家の印象を大きく左右するため、初期投資としてしっかり予算を確保することをおすすめします。
平屋の後悔ケース6:家族間のプライバシーが確保できない

平屋では各部屋が互いに近接しているため、音が伝わりやすく、家族間のプライバシーが保ちにくいという問題があります。とくに寝室や子供部屋とリビングが近い場合、テレビの音や会話が聞こえてしまい、落ち着いて過ごせません。
対処法:収納スペースや廊下を活用してプライバシーを確保する
音問題は間取り計画を工夫すればある程度の軽減は可能です。たとえば以下の方法が有効な手段です。
- リビングと寝室を廊下で分離する
- リビングと寝室の間に収納スペースをつくる
また間取り計画でどうしても収納や廊下が作れない場合は
- 壁に吸音効果のある仕上げ材を貼る
- 音を抑えたい壁面に本棚などの収納家具を置く
といった方法もあります。
間取り計画が難しい平屋においては、設計段階で上記ポイントをしっかり検討しておくとよいでしょう。
平屋の後悔ケース7:防犯面が不安

2階がない平屋は、どの部屋からでもガラスを割って侵入されるリスクがあるため、防犯上の不安を抱える家族も少なくありません。とくに就寝中や留守にする時間帯の安全性が心配です。
また、窓を大きくとりたい要望と防犯性を両立させることも難しい課題です。
対処法:適切な防犯対策でリスクを軽減
防犯面で不安に感じやすい平屋ですが、うまく設計を行えば、防犯効果を高められます。
具体的には以下の手法を用いて防犯対策を行うのがおすすめです。
- 人が通る窓以外は小さい窓をつける
- シャッターや防犯ガラスを選ぶ
- 目立ちにくい場所にセンサーライトや防犯カメラを設置する
- 外構は死角の少ないオープンな計画にする
防犯性能の高い窓や扉を導入することが基本的な対策ですが、セキュリティシステムの設置も効果的です。外構設計においては、死角を減らすようなオープンな設計にすることで、不審者が隠れにくい環境を作れます。照明設備も重要で、センサーライトを適切に配置することで、夜間の防犯効果を高められます。
自身にあった防犯対策を行い、平屋の弱点である防犯面を強化しましょう。
平屋の後悔ケース8:日当たりが悪い部屋ができやすい

平屋は周囲の建物の影響を受けやすく、部屋によっては十分な自然光が入らないことがあります。とくに隣家との距離が近い場合、日照時間が短くなりがちです。また、平屋の場合、建物の中央部に位置する部屋は窓を外壁に面して設けられないため、暗く感じることが多いです。湿気がこもりやすく、冬場はとくに寒さを感じる原因にもなります。
対処法:
隣家との距離をあらかじめ検討し、日当たりを考慮した配置計画を立てるのが重要です。天窓(トップライト)の導入も効果的で、直射日光を室内に取り込めます。
また、コの字やL字などの形状にして外壁に面する部屋を増やす工夫も有効です。

どうしても難しい場合は、照明計画でカバーするのもひとつの手ですね。
平屋の後悔ケース9:太陽光発電

太陽光発電に関しては、「つければよかった」という後悔と「つけたがあまり効果がなかった」という両方の後悔がみられます。
平屋は屋根面積が広いので、基本的には太陽光パネルの設置に適しています。しかし、先述の日当たりの問題も考慮しながら判断が必要です。効果が期待できないのに設置するのはもったいないですし、逆に適した条件なのに設置しなかった場合は、電気代の節約機会を逃してしまいます。
対処法:あらかじめ太陽光発電を導入するか決めておく
太陽光発電は日当たりが命です。
いざ導入したいと思っても日当たりが期待できない土地では発電効果を活かしきれません。そのため土地選びの段階で太陽光発電を想定する必要があります。
方角と建物間の距離が分かれば、日光の届き具合を予測できます。気になっている土地にプラン入れをしてもらったタイミングで
- パートナーの建築会社にチェックしてもらう
- ウェブサイトでシミュレーションする
などの方法で太陽光発電の効果がどれくらいなのか確認しましょう。
大手建材メーカーのLIXILが提供している「太陽光発電導入シミュレーション」では、太陽光発電の簡易的なシミュレーションが可能で、年間の発電量や電気代の節約額を試算できます。興味がある方は、このようなツールを活用して費用対効果を検討してみるとよいですね。
また、蓄電池との組み合わせも視野に入れると、停電時の備えにもなります。太陽光パネルの設置は、長期的な視点で環境面と経済面の両方からメリットを考える必要があります。
平屋の後悔ケース10:風通しが悪くなりやすい

平屋は空気の流れが制限される可能性があり、換気が不十分になりやすい傾向があります。2階建ての場合、階段を通じて空気の上下移動が生じますが、平屋ではそうした自然な対流が起きにくいのです。
とくに中央に位置する部屋は外気に面していないため、空気がこもりやすくなります。湿気やニオイが滞留しやすく、夏場はとくに暑さを感じることがあります。
対処法:空気の循環を意識して間取りや設備を決める
平屋の場合は二階建て以上に空気の循環を意識して計画する必要があります。風を部屋の中に取り込むための間取り計画のコツは以下の通りです。

- 対角線上に窓を配置する
- 中庭を設ける
- 天窓や高窓を設ける
- シーリングファンで風の流れをつくる
イメージは通風、換気を行うには風の通り道を作ってあげることです。
これらの対策により、平屋でも風通しのよい快適な室内環境が実現できます。
平屋の後悔ケース11:水害の被害を受けやすい

地上階のみの平屋は、浸水リスクが高いというデメリットがあります。一度床上浸水が起きると、家財道具や建物自体に大きな被害を受けます。2階建ての場合は2階に避難することも可能ですが、平屋ではその選択肢がありません。
とくに近年の気候変動により、これまで安全とされていた地域でも水害リスクが高まっているため、平屋を建てる際はとくに注意が必要です。
対処法:ハザードマップで災害リスクの把握をしよう
土地選びの際に浸水リスクを確認することが最も重要です。下記で紹介するハザードマップをチェックし、浸水想定区域を避けるか、リスクを十分に理解したうえで対策を講じましょう。
地盤サポートマップ|ジャパンホームシールド株式会社
・・・各ポイントで災害リスクレポートが作成されており、とてもみやすい。避難場所などもまとめてある
ハザードマップポータルサイト|国土交通省
・・・国土交通省の全国版ハザードマップ。国情報で信頼度が高く、定期的に更新されているため最新の情報が手に入る
可能であれば強い雨が降っているタイミングに足を運び、現地を確認して雨水が溜まりやすい土地ではないかチェックしましょう。
ハザードマップではわからない問題点が見つかることもあります!
平屋の後悔ケース12:生活してみると狭いと感じてしまった

実際に生活を始めてみると、思ったより狭いと感じることがあります。平屋は2階建てと比べて床面積が同じでも、廊下や通路のスペースが占める割合が大きくなりがちです。
また、すべての生活機能をひとつの階に詰め込むため、各部屋が小さく感じられる場合もあります。とくに子供の成長に伴い、必要なスペースが増えると、より狭さを実感するようになります。
対処法:床面積を増やさず広く見せる工夫をする
狭いという悩みは建物を広くすれば解決します。ただ予算にも限りがあり、そんなに単純にはいきません。平屋の場合は空間の広がりを演出する工夫をしっかり検討する必要があります。
具体的な対処法は以下の通りです。
- オープンタイプや対面式のキッチンにしてリビング空間を広く見せる
- 天井高をあげて空間の広がりをつくる
- 窓のサイズを小さくし、収納スペース用の壁面を増やす
- デッキやテラスを設け、外の空間とつなげる
オープンな間取りを採用すると、空間を広く見せられます。とくにリビングはキッチンを対面式やオープンタイプにすれば同じ広さでも空間を広くみせられます。
また、勾配天井などで天井高を上げる設計も効果的です。壁面収納や床下収納を活用し、部屋の中をスッキリ見せるのも部屋を広く見せられます。
さらにデッキやテラスを設けると、室内と屋外の境界をあいまいにし、心理的な広がりを感じさせます。季節を問わず利用できるよう、建物から庇や軒を伸ばすなどの工夫を検討するのもよいでしょう。
間取りに関してはパートナーとなる建築会社とじっくり打ち合わせを行いながら進めましょう。一般の人では思いつかないような解決方法を提案してくれるかもしれません。
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平屋の後悔ケース13:思ったより光熱費が高かった

平屋は2階建てに比べて床面積あたりの外壁面積が大きいため、熱の出入りが多くなります。

そのため、冷暖房効率が悪くなりやすく、「思ったより光熱費が高い」と感じる場合もあるでしょう。とくに冬場は床面積が広いほど暖房費がかさみます。夏場も屋根から受ける熱の影響が大きく、冷房費が増加する傾向があります。
平屋は住みやすさを優先するあまり、ランニングコストを見落としがちなので注意が必要です。
対処法:平屋は断熱性能を意識しよう
平屋は二階建て以上に断熱性能を意識しましょう。
以下の点を取り入れると家の断熱性能が上げられます。
- 高性能な断熱材を使用
- 極力窓ガラスのサイズを小さくする
- 窓ガラスをペアガラス、トリプルガラスにする
高性能な断熱材を使用して断熱性能を上げるのはイメージできると思います。ですが、実は窓ガラスの仕様を変えると、熱の出入りを効果的に抑制できるんです。
意外かもしれませんが、建物の熱の出入りのおよそ6〜7割は窓ガラスからといわれています。
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出典:一般社団法人 日本建材・住宅設備産業協会|Q&A 開口部からの熱の出入りは、どれくらいあるのですか?
そのためペアガラスやトリプルガラスのような断熱性能の高い窓を仕様すると、断熱性能をぐっと上げられるんです。
断熱性能を上げると建築コストは当然上がってしまいます。ただ、長期的には光熱費の削減に繋がり、環境にも優しい住まいとなるでしょう。

最近は断熱性能の見直しが国で行われています。
今後は断熱性能が住宅の価値に影響するかもなので、しっかり検討しましょう!
平屋の後悔ケース14:足腰が弱くなる恐れがある

階段がない平屋は、日常的な運動機会が減るので、長期的には足腰が弱くなる恐れがあります。2階建ての場合、階段の上り下りが自然な運動になりますが、平屋ではそうした機会がありません。
とくに高齢になってからの健康維持に影響する可能性があります。バリアフリーの家は生活するうえで便利です。しかし日常生活上での身体活動の機会が減ってしまうデメリットも考慮する必要があります。
対処法:運動する習慣をつける、外に出かけたくなる工夫をする
この点に関しては個人的に運動する習慣をつけるのが最善の方法です。
個人的な意見としては住まいは快適であるべきだと考えているので、足腰のことを気にしてわざわざ高低差をつけたりなどはナンセンスだと感じています。そのため、日常の運動不足は家族で運動の機会をつくるなどで解消するのがベストだと思います。

健康が気になるなら運動習慣を身につけるのが基本中の基本です!
マイホームは長く住むのを前提に立てる人が多いです。だからこそ長く快適に住めるような設計が大切。若いうちは体づくりを日常的に行い、老後の安全を確保できる平家という選択肢は理にかなっているのではないでしょうか。
子供が階段から落ちたりする心配もありませんしね。
平屋の後悔ケース15:収納位置、スペースに困った

2階がない平屋は、全体的な収納スペースが限られがちです。平屋に限った話ではありませんが、コストを抑えるには効率的な間取りの計画が必要です。その結果まとまった収納スペースは作れないケースが多く見られます。
家族構成や子供の成長に伴い必要な収納量は増加したり、季節品や使用頻度の低い物の保管場所に困ることがあります。収納が不足すると生活空間が物であふれ、快適性が損なわれてしまうでしょう。
対処法:収納スペースは柔軟に考えるのが肝
収納スペースは適材適所に壁面収納を配置するのが基本ですが、それだけがすべてではありません。予算や建物の広さの関係で、納戸や玄関収納が確保できない場合もあるでしょう。
その場合は以下の方法も検討してみましょう。
- 屋根裏空間を活用して大規模な収納スペースをつくる
- キッチンカウンターを兼ねたキャビネット収納を設置する
- 床下収納をつくる
- 家具収納を後で購入して収納スペースを確保する
- 外で使うものに関しては屋外用倉庫を計画する
建築会社のスタッフは数々の家づくりに関わっているので、収納に関するアイデアやアドバイスをもらえる可能性が高いです。「いい案が思い付かない」「収納量に不安がある」などの場合はパートナーである建築会社のスタッフなどに相談してみましょう。
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平屋の後悔ケース16:シャッターの開け閉めがめんどくさい

平屋の窓にシャッターをつけて後悔したケースも多いです。

実は私もシャッターで後悔しました…。
防犯上の理由から夜間はシャッターを閉めるようにしていますが、遮光カーテンで締め切るとシャッターの閉め忘れてしまったんです。
それ以来は夕方にはすべてのシャッターを閉めるようにしています。LDKの掃き出し窓と洋室の腰窓を手動シャッターにしたため、いちいち開け閉めするのが手間なんです。とくに冬は朝晩の冷え込みが厳しく、シャッターの開閉作業が辛く感じられます。正直平屋を建てて一番後悔しているポイントです。
対処法:電動シャッターか防犯ガラスを選ぶ
電動シャッターの採用が最も効果的な解決策です。電動シャッターであれば、タイマー設定が可能で、スマートフォンと連携して開閉状況の確認や遠隔操作も行えます。これにより、手間が大幅に軽減されるだけでなく、外出先からでも操作できるため安心・安全です。
ただ、電動シャッターは電気機器のため、寿命があります。10年程度で交換が必要になるでしょう。そのため防犯が主目的なら、予算が許す限り防犯ガラスの採用の方がおすすめです。
近年の住宅は断熱性能が大幅に向上しているため、人が入れないサイズの小窓で部屋の採光を確保するという考えもあります。

窓は断熱性能を下げる要因!
最近は大きな窓をほとんど設置しないという家もよく耳にします。
窓の大きさや位置、数を計画段階で慎重に検討し、シャッターの必要性も含めて総合的に判断しましょう。
平屋の後悔ケース17:トイレを2つつければよかった

トイレは可能であれば2つ計画しておくとよいでしょう。

我が家はひとつのトイレで住んでいます。
ただ、子供が大きくなった時にちょっと不安なんですよね…。
子供が成長するにつれて使用頻度が増え、家族全員の生活リズムが似てくると必然的にトイレの取り合いが発生します。とくに朝の出勤・登校時間帯や夕食後など、同時に使用したい時間帯が集中する可能性が高いです。平屋ではすべての生活空間が同じ階にあるため、この問題がより顕著になりがちです。
対処法:2つ設置がおすすめ!でも位置関係に注意!
トイレは2つ計画することが理想的ですが、場所を離しすぎるのはあまりお勧めしません。なぜならトイレを離して配置すると配管の距離が伸び、コストアップにつながるためです。また、間取り計画も複雑になり、寝室の近くに配置すると音や匂いが気になる問題も生じます。

2階建のように階段の上り下りがないので、平屋の場合は一箇所にトイレをまとめても不便に感じません!
トイレ配置のポイントとして、基本的には居室との間に収納などを設けて音に配慮しましょう。また、入口は廊下に面するよう計画し、とくに来客を考慮すると玄関からLDKまでの廊下に面した位置が最適です。1箇所にまとめて計画すれば、間取りがシンプルになり、メンテナンスも容易になります。
平屋の後悔ケース18:物干しスペースに困った

平屋では洗濯物を干すスペースが限られます。屋外であれば庭で干せますが、天候に左右されるうえ、プライバシーの問題も生じます。

子供が小さい時はよいですが、庭で洗濯物を干すのって思春期になったら気になりますよね…。
また、洗濯物の匂いが生活空間に広がるという問題もあります。機能的な洗濯スペースの不足は、日常生活の快適さに大きく影響します。
対処法:屋内で洗濯物干しができるように柔軟な計画を
基本的に平屋は室内でも洗濯物が干せるように間取り計画を進めましょう。
たとえば以下の方法がおすすめです。
- ランドリールームを設ける
- 和室やLDKに室内物干しができるよう金物を取り付ける
- 乾燥機を設置できるスペースを確保する
もしランドリースペースを設ける場合、4人家族で3畳程度のスペースは確保するとよいでしょう。洗面所と脱衣所に隣接させ、洗濯から乾燥、収納までの一連の流れがスムーズになるよう計画するのがおすすめです。ランドリールームには換気設備や除湿設備も重要です。
また、天井に物干しワイヤーを設置したり、壁に折りたたみ式の物干し台を取り付けたりして、限られたスペースを有効活用できます。

我が家は物干しワイヤーを各所に設置し、必要な時だけ物干しができるように工夫しています!
物干しワイヤーって何?という人は以下の記事をぜひチェックしてみて下さい。

平屋の後悔ケース19:勾配天井にすればよかった

「勾配天井にすればよかった」というのは我が家の後悔ポイントのひとつです。勾配天井にしなかった理由は、照明器具の数が増えることと、何よりコストがかかるためでした。
しかし、平屋を建てた知人の家を訪れた際、勾配天井の開放感とおしゃれな雰囲気を体験し、採用すべきだったと感じました。
フラット天井は標準的で安価ですが、空間の魅力を引き出す点では物足りないといわざるを得ません。
対処法:勾配天井のメリット、デメリットを把握して自分にあった選択を!
平屋は全ての部屋の上部が屋根のため、勾配天井を作りやすいというメリットがあります。家づくりでは、まず自分の理想とする家のイメージをしっかり固めておくことが大切です。勾配天井は一部の部屋だけに採用するという選択肢もあります。
たとえば、リビングだけ勾配天井にして特別感を出す方法も効果的です。また、勾配天井と組み合わせて天窓を設置すると、より開放的で光あふれる空間が実現します。
コスト面が気になる場合は、構造材を見せる「あらわし天井」にすることで、コストを抑えながらも個性的な空間を作り出せます。平屋の魅力を最大限に引き出すためにも、天井の形状は重要な検討ポイントといえるでしょう。

我が家は「フラット天井一択!」と決めつけて、後悔しました…。
LDKなどの広い空間を勾配天井にできるのは平屋のメリットです。この記事を見た人は勾配天井にするつもりでなかった人も含め、モデルハウスや工事現場などで勾配天井の家を見てから判断するのがおすすめです。
平屋の後悔ケース20:外構のお手入れが大変

将来的に庭スペースを自分で手を加えたいと考え、砂地のままにしておくと、しばらくすると雑草が生え放題になってしまいます。草抜きの手間は想像以上に大変で、とくに夏場は週に1〜2回の頻度で作業が必要になることもあります。

夏場の手入れは暑さもあり、めちゃくちゃ過酷です…。
また、外構に天然芝を敷いた場合も、定期的な手入れが必要となり、放置すると見苦しい状態になりがちです。平屋は庭スペースが広くなる傾向があるため、外構の維持管理は大きな負担になり得ます。
対処法:植栽は手入れを楽しめる範囲で計画しよう
平屋を建てる際、外構のお手入れで後悔しないためには自分の楽しめる範囲での植栽計画を行うべきです。もし植栽のお手入れを定期的に行える自信がない場合は、人工芝などお手入れの必要がない素材を積極的に取り入れるのをおすすめします。
将来的にDIYで庭を整備したい場合も、最初から防草シートを敷いておくなど雑草対策は必須です。

1〜2年経つと草の根が張ります。
とくに夏場は頻繁な草取りが必要でめちゃくちゃ大変です…。
メンテナンスフリーの素材(コンクリート、インターロッキング、砂利敷きなど)を適材適所で使用し、花壇や家庭菜園は手入れを楽しめる範囲に限定するという考え方も大切です。外構計画は家の見た目だけでなく、将来の生活スタイルも考慮して決めましょう。
平屋の後悔ケース21:メンテナンスのことを考えずに計画してしまった

メンテナンスのことをあまり考えずに平屋を建ててしまうと後悔することがあります。
平屋は二階建てより建物の高さが低くなる傾向があるため、メンテナンスのしやすさがメリットのひとつです。しかし、建物のデザインや使用する材料によっては、通常よりもメンテナンス費用がかさむ場合があります。
たとえば、天窓(トップライト)の設置や勾配のきつい片流れ屋根などは、メンテナンスの手間やコストが増える要因となります。
我が家も最低限の勾配で屋根を設計したつもりが、水上側は二階建て並みの高さになり、塗装時には足場が必要になってしまいました…。
対処法:平屋はメンテナンスしやすい家を目指そう
メンテナンスのしやすさは平屋のメリットのひとつです。せっかくのメリットを潰してしまうのは非常にもったいないことだと私は思っています。
そのためこの記事を読んだ人は、ぜひメンテナンスのしやすい平屋を目指して家づくりを進めましょう。
これから家づくりをはじめる人は、建築会社を選ぶ際にメンテナンス費用を抑えたいという希望をしっかり伝えましょう。なぜなら建築会社によっては緩い屋根勾配にできない、使用材料に制限があるなどの都合があるためです。
このような点は建築会社とのミスマッチや打ち合わせ不足で起こりやすいです。メンテナンス性についても具体的に相談しておくとよいでしょう。
平屋の後悔ケース22:背の高い窓をたくさんつけてしまった

明るい室内にしたいという思いから、背の高い大きな窓をたくさん設けると後悔する可能性があります。背の高い窓には以下のようなデメリットがあります。
- 掃除が大変
- カーテンの取り付け位置が高くなる
- 家具の配置に制約が出る
- エアコンの取り付け位置に困る
背の高い窓を掃除をする際は手が届きにくい場合があります。とくに外側の窓拭きは脚立が必要になることもあるでしょう。また、カーテンレールの取付位置が高くなり、カーテンの開閉が面倒になります。さらに、壁面積が減ることで家具の配置に制約が生じ、レイアウトの自由度が下がります。家具と同様、エアコンの室内機を取り付けるスペースも減るため、設置に困る場合が考えられるでしょう。
見栄えはよくても、日常生活での使い勝手を考えると、窓の大きさや配置は慎重に検討すべき要素です。
対処法:使いやすさ、掃除のしやすさも考慮して窓を選ぼう
窓の配置やサイズは使いやすさ、掃除のしやすさを想定して決めるのが大切です。
具体的には以下の点を考慮して窓の種類や位置を決めましょう。
- 日光が居住者の目線に入らないか
- 掃除はどのようにするか
- カーテン、ブラインドの取り付けは必要か
- 家具配置を考慮してサイズを決めたか
まぶしさを感じない位置に明かり取りの窓を配置すると、快適性が向上します。たとえば、ソファを置く位置の正面ではなく横に窓を設けるなどの工夫が効果的です。
また、高窓と腰窓を組み合わせることで、明るさを確保しながらも家具の配置スペースを確保できます。電動シャッターやブラインドの採用も検討すべきでしょう。
さらに、窓の清掃のしやすさも重要な要素です。内開き窓や外側から掃除できる窓など、メンテナンスが容易な窓の種類もあります。
窓は住まいの印象や快適性を左右する重要な要素です。デザイン性だけでなく使いやすさや掃除のしやすさも考慮して計画しましょう。
平屋の後悔ケース23:軒を伸ばしておけばよかった

ざっくり説明すると、軒とは屋根の端の部分で、建物から張り出しているところです。平屋は大きな屋根を作りやすいため、軒も庭スペースに伸ばしやすいという特徴があります。2階建ての場合、下屋がない限り軒は大きく出せませんが、平屋なら思い切って軒を伸ばせます。
実は軒の出は住宅において、とても大事なんです。

軒を延ばすと夏の強い日差しを遮りつつ、冬場は日光を取り入れやすくなるという日射調整効果があるんです。また、庭での洗濯物干しを考えている家庭にとっては、急な雨にも対応できる点が大きなメリットとなります。
対処法:予算・デザイン面で無理がなければ軒を伸ばすのを検討する
デザイン性を考慮しつつ軒を伸ばせるのは平屋ならではの特徴であり、快適に暮らすためにも重要な要素です。設計段階で軒の出を十分に検討しましょう。南側の窓の上部に90cm〜120cm程度の軒を出すと、夏の強い日差しを効果的に遮れます。
上記以外にも以下のようなメリットがあります。
- ウッドデッキを設置すれば快適な半屋外空間ができる
- 雨や紫外線から外壁を守り、メンテナンス費用の削減につながる
ただし、軒が深くなると、それを支えるための柱が必要になります。柱が増えると基礎も必要になるので、コストが大幅にアップする点がデメリットです。
とはいえ前述の通り、平屋は深い軒との相性がよいです。予算やイメージしているデザインに支障がなければ、一度採用を検討してみてください。
後悔ばかりじゃない!平屋のおもな満足ポイント

平屋には後悔ポイントがある一方で、多くの満足ポイントもあります。実際に平屋に住んでいる方々からは、「建ててよかった」という声も多いです。
ここでは、平屋ならではの主な満足ポイントを紹介します。これから平屋の建築を検討している方は、後悔ポイントとあわせて、メリットもぜひ参考にしてください。
1. とにかく生活しやすい
平屋の最大の魅力は、何といっても生活のしやすさです。生活動線がシンプルかつコンパクトで、階段の上り下りがないため部屋間の移動が容易になります。
とくに小さなお子さんやお年寄りがいる家庭では、その利便性を実感できるでしょう。バリアフリーな空間が自然と実現でき、将来的な住み続けやすさも確保できます。また、家事動線もコンパクトになるため、日々の家事負担が軽減されます。
洗濯物を2階に運び上げる必要がないなど、細かな部分でストレスが減るのも大きなメリットです。
2. 地震に強くて安心
平屋は建物全体の重量が低く、地震の揺れによる影響が少ないという特徴があります。
平屋は基本的にシンプルな構造で柱や壁が効果的に配置しやすいです。地震に強い住宅といえます。柱や壁の横方向の力に対する耐力が高く、2階建てに比べて倒壊リスクが低いので、万が一の際の避難もスムーズです。地震大国の日本では、この安心感は非常に大きな価値があります。
耐震性を高める工法も取り入れやすく、長期的な安全性を確保しやすいのも平屋の魅力です。
3. メンテナンスがしやすい
平屋は屋根や外壁へのアクセスが容易なため、安全かつ効率的に保守作業が行えます。2階建てのように高所での作業が少なくなるため、梯子や足場の必要性が減少し、メンテナンス費用の削減につながります。
とくに屋根の点検や雨樋の掃除など、定期的なメンテナンス作業が簡単です。DIY好きな方にとっては、自分でメンテナンスを行いやすい点も大きなメリットです。長期的に見れば、メンテナンスのしやすさは住宅の寿命を延ばし、資産価値の維持にも貢献します。
4. 家族とのコミュニケーションがとりやすい
平屋では部屋間の距離が近く、お互いの気配を感じやすいため、自然と家族間のコミュニケーションが増えます。
子育て世帯にとっては、子どもの様子を把握しやすく、安心感があります。リビング中心の間取りにすることで、家族との自然な交流が増えるという点も魅力的です。
2階建てだと各自が別々の階で過ごすことが多くなりがちですが、平屋ではそうした物理的な隔たりがなく、顔を合わせる機会が自然と増えます。また、家族の気配を常に感じられることで、孤独感が減り、温かい家庭環境を築きやすいという利点もあります。
平屋の後悔ポイントと対処法を理解して、満足のいく家づくりを目指そう!

平屋建ての住宅には多くの魅力がありますが、後悔ポイントもあることを理解しておくことが大切です。コスト面での課題、プライバシーや防犯の問題、外構の手入れなど、事前に知っておくべき後悔ポイントを押さえ、それぞれに対する対処法を計画に取り入れることで、より満足度の高い平屋づくりが可能になります。
また、平屋ならではの満足ポイントも数多くあります。生活のしやすさ、地震への強さ、メンテナンスの容易さ、家族とのコミュニケーションのとりやすさなど、これらのメリットを最大限に活かせるよう計画することが重要です。
家づくりは一生に一度の大きな買い物です。平屋のメリット・デメリットをしっかりと理解したうえで、自分たちのライフスタイルに合った住まいを計画しましょう。後悔ポイントを事前に知り、適切な対策を講じることで、「建ててよかった」と心から思える平屋の住まいを実現できるはずです。
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